環境コラム「ご存じですか?」
家電売り場に見る品揃えの変化
先日、いくつかの家電量販店を見て回る機会がありました。ずらりと並ぶ最新の家電製品を眺めて気づいたことがありました。
テレビの大型化
一つはテレビの大型化が進んだことです。液晶テレビ、有機ELテレビともサイズが50インチ以上の製品が目立ち、かつての主流だった32インチ程度の製品は数台が売り場の隅に置かれていました。
大型化の傾向は調査結果が裏付けています。GfK・インテージが2022年1月から4月までにテレビを購入した約16,900名に調査をしたところ、購入したテレビの画面サイズは55インチが最多(21%)でした。また、買替え前のサイズが33~45インチだった人の、買替え後のサイズは55インチが27%、42インチが18.2%、50インチが17.7%でした。
この大型化の背景には、動画配信サービスの映画やコンサートなどをテレビ画面で観る人が増加したことや、新型コロナウィルスの流行により在宅時間が増えたことがあると思われます。
増える 単機能の製品
もう一つ気づいたのは、調理家電の種類が増えていること、さらにその多くが単機能であることです。
電気圧力鍋、低温調理器、フライヤー(揚げ物器)、ブレンダー(攪拌器)、フォンデュメーカー、エッグスチーマー(茹で卵メーカー)、ヨーグルトメーカー、アイスクリームメーカー、焼き芋メーカー、焼き鳥メーカーなど。
省エネ・省資源の観点から見ると
大画面テレビやバラエティに富んだ調理家電を目の前にして、私の購買欲も大いに刺激されました。しかし、職業柄か省エネ・省資源の面がやはり気になりました。
家電製品は一部の例外を除き、サイズや能力が大きいほど消費電力量が増加します。例えば、液晶4Kテレビ・50インチ以上の製品の平均年間消費電力量は205kWhであり、50インチ未満の平均年間消費電力量143kWhの1.4倍です*。
調理家電は、買った当初は物珍しさもあり頻繁に使うでしょう。しかし、果たして1年後、2年度も日常的に使っているかどうか?と考えてしまいます。もし使わなければ、資源も、製造にかかったエネルギーも無駄になります。保管場所のことを併せて考えると、単機能の製品は合理的ではない面もあります。
流行にとらわれることなく、どの製品を購入するか熟慮の上判断したいものです。
*出所:資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ電子版」(10月1日版)より
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10月 | 気候変動の最新報告書が公表される |
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11月 | 集合住宅の断熱化 |
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9月 | 宅配便の再配達 |
8月 | 石炭火力発電所 |
山川文子プロフィール
エナジーコンシャス 代表
執筆や講演を通じて、生活者視点での省エネ、環境に配慮した暮らしの情報を発信。
テレビ、新聞等のメディアでも広く活躍。
東京都地球温暖化防止活動推進センター(クール・ネット東京)顧問
一般財団法人省エネルギーセンター 上級技術専任職(国際業務担当)
[資格]
・消費生活アドバイザー(内閣総理大臣及び経済産業大臣認定)
・家電製品総合アドバイザー(一般財団法人家電製品協会認定)