2021
9月

環境コラム「ご存じですか?」

プラスチックを対象にした新しい法律

文・山川文子

プラスチック資源循環促進法成立

レジ袋有料化から1年

レジ袋が有料になったのは2020年7月のことです。容器包装リサイクル法の省令改正によって、事業者に有料化を義務づけたものです。この有料化は、プラスチックごみの削減に向けた取組みとして評価される一方で、「レジ袋だけを対象にしても、プラスチックごみ全体の削減にどの程度の効果をもたらすのか?」といった疑問を呈する声も聞かれます。
このような疑問の声にも応える形で、2021年6月4日に成立した新しい法律が「プラスチック資源循環促進法」です。プラスチック資源の循環利用を促進するために、プラスチック製品の①設計・製造、②販売・提供、③排出・回収・リサイクルの各段階での措置を規定しています。
それぞれの概要を見てみます。

環境に配慮した製品設計を ①設計・製造段階

プラスチック製品の「環境配慮設計に関する指針」を国が策定し、指針に適合した製品を国が認定。国や自治体に対して率先した購入を求めます。
環境に配慮された設計の例として、詰め替え・付け替え容器、解体が容易な製品、単一な素材でできたリサイクルしやすい製品、リサイクル素材を使用した製品などがあげられます。

使い捨てスプーンの有料化も ②販売・提供段階

コンビニでお弁当を買うとプラスチックのスプーンやフォークが、カフェで飲み物を買うとストローやマドラーがついてきます。これらの使い捨てのプラスチック製品を削減するための、小売事業者の取組みをまとめたガイドライン(判断基準)が策定されます。
有料での提供だけではなく、顧客が提供を断った際のポイント付与や、木製などのプラスチック製以外の製品への変更などが考えられます。

市町村がまとめて回収 ③排出・回収・リサイクル段階

現在は自治体によって扱いが異なる、家庭から排出されるプラスチック製品(おもちゃ、文房具など)や容器包装(ペットボトル、食品トレーなど)を、市町村が「資源ごみ」としてまとめて回収する仕組みを導入し、リサイクルを促進します。
そのほか、使用済みのプラスチック製品について、それを製造・販売した事業者の自主回収を認める仕組み(現在は廃棄物処理法に基づく許可が必要)などが盛り込まれています。

現在、この法律の具体的な運用を規定する省令等が検討されており、施行は2022年度です。実効ある省令等の策定が期待されます。

山川文子プロフィール

山川文子さんの写真

エナジーコンシャス 代表

執筆や講演を通じて、生活者視点での省エネ、環境に配慮した暮らしの情報を発信。
テレビ、新聞等のメディアでも広く活躍。

東京都地球温暖化防止活動推進センター(クール・ネット東京)顧問
一般財団法人省エネルギーセンター 上級技術専任職(国際業務担当)

[資格]
・消費生活アドバイザー(内閣総理大臣及び経済産業大臣認定)
・家電製品総合アドバイザー(一般財団法人家電製品協会認定)

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