2021
1月

環境コラム「ご存じですか?」

SDGsとわたし達の暮らし

文・山川文子

2030年までの国際目標

SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)は、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。地球上の「誰ひとり取り残さない」を理念とし、17の目標が設定されています。
17の目標は、貧困、飢餓、ジェンダー、教育、環境、経済成長、人権など多岐にわたります。自分の暮らしとは関係ない項目が多いと感じるかもしれませんが、決してそうではありません。

コーヒーをテイクアウトしたら?

たとえば、カフェでコーヒーをテイクアウトする場面を想像してみます。
コーヒーのカップは紙製、ふたはプラスチック製。ビニール袋に入ったお手拭き、砂糖、ミルク、プラスチックのマドラーと一緒に、紙袋に入れて渡されました。
飲み終わったら、これらはすべてゴミ箱に捨てられ、再利用されることなく焼却されます。マイボトルを持っていけばよかった・・・。自宅で飲むのでお手拭きは不要だった、ブラックで飲むので砂糖、ミルク、マドラーは不要だった・・・。
廃棄物の問題は、SDGsの目標12「つくる責任つかう責任」につながっています。プラスチック製品による海洋汚染の問題は、目標14「海の豊かさを守ろう」につながっています。

コーヒー豆はどこから?

購入した「本日のコーヒー」は、どの国の豆でしょうか?
どのような人たちがいくらの賃金で、一日何時間働いて栽培した豆か・・・、と想いを巡らすと、目標1「貧困をなくそう」、目標10「人や国の不平等をなくそう」に関心が持てるのではないでしょうか?
店内を見回すと、窓際の明るいところにも照明がついています。トイレの照明は常に点灯してあり、暖房便座は温かすぎます。電気の無駄づかいを感じました。店舗の節電は、目標13「気候変動に具体的な対策を」の一つです。

このように、コーヒーのテイクアウトだけを見ても、SDGsのいくつかの目標につながっていることがわかります。SDGsが自分の暮らしと関わっていることを知り、できることを見つけていただきたいと思います。

過去のコラム

2023
12月 最終回
11月 家電売り場に見る品揃えの変化
10月 ご存知ですか?“デコ活”
9月 地球沸騰化の時代に
8月 肉の消費がもたらす温暖化
7月 エアコンの自動制御で電力ひっ迫に貢献
6月 高効率給湯器への移行
5月 省エネデータの任意開示が始まる
4月 脱炭素社会の実現に向けて 省エネ法を大幅改正
3月 節電プログラムに参加してみました
2月 寒くない家が当たり前に
1月 気候変動の被害に特化した基金を創設 
2022
12月 自分ごととしての脱炭素化
11月 ラベルレスのペットボトル飲料
10月 東京都 新築住宅への太陽光発電設置を義務化
9月 ホテルのエコ進行中
8月 フードバンクを支援するには
7月 量り売りで食品ロスを削減
6月 簡易なツール利用を行動のきっかけに
5月 使い捨てプラスチック製品を減らす
4月 「食べ残したら持ち帰る」が当たり前に
3月 有機農業の普及
2月 バレンタインデーはフェアトレードチョコを
1月 電力・ガス会社の省エネ情報を採点
2021
12月 COP26が開催 ~「1.5℃目標」に向かって~
11月 ファッションをサステナブルに
10月 気候変動の最新報告書が公表される
9月 プラスチックを対象にした新しい法律
8月 カーボンニュートラルに向けた取り組み
7月 改正温対法
6月 SDGsをもっと身近に 169のターゲットの日本語コピー
5月 高校教科書 ~日常生活から学ぶ~
4月 ゼロカーボンシティ宣言
3月 検針票のペーパーレス化
2月 この冬 電力需給がひっ迫
1月 SDGsとわたし達の暮らし
2020
12月 温室効果ガス 新たな目標
11月 集合住宅の断熱化
10月 不便の益
9月 宅配便の再配達
8月 石炭火力発電所

山川文子プロフィール

山川文子さんの写真

エナジーコンシャス 代表

執筆や講演を通じて、生活者視点での省エネ、環境に配慮した暮らしの情報を発信。
テレビ、新聞等のメディアでも広く活躍。

東京都地球温暖化防止活動推進センター(クール・ネット東京)顧問
一般財団法人省エネルギーセンター 上級技術専任職(国際業務担当)

[資格]
・消費生活アドバイザー(内閣総理大臣及び経済産業大臣認定)
・家電製品総合アドバイザー(一般財団法人家電製品協会認定)

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