2022
4月

環境コラム「ご存じですか?」

「食べ残したら持ち帰る」が当たり前に

文・山川文子

食べ残しや仕込み過ぎによる食品ロス

外食をしたときに料理を注文しすぎて残してしまった、宴会や旅館で出た料理が多すぎて食べきれなかった・・・。このような経験をした人は少なくないでしょう。
日本の食品ロス(本来食べられるのに廃棄している食品)の発生量の内、事業活動に伴うものが全体の半分強を占めています。事業活動に伴う食品ロスとは、食品メーカーや小売店での売れ残りや規格外品、飲食店や宴会場などで仕込み過ぎたものやお客さんの食べ残しなどです。

食べ残したら持ち帰る“mottECO”

食品ロスの削減のために「食べ残しを持ち帰ろう」という呼びかけは以前から行われていますが、食品衛生上の点から飲食店側が積極的ではなかった印象があります。
しかし、世界規模での人口増加による食料不足や気候変動が懸念される中、食品ロス削減への取組みが求められており、その一環として、政府は「食べ残しの持ち帰り」の普及に力を入れています。

環境省は、「食べ残したら持ち帰る」というアクション(行為)を“mottECO(モッテコ)”と名付け、導入する自治体や事業者、消費者への啓発活動を行っています。
“mottECO”(モッテコ)は、環境省が実施した「NEWドギーバッグアイデアコンテスト」で大賞を受賞したネーミングで、「もっとエコ」「持って帰ろう」というメッセージが込められています。

自己責任で持ち帰る

2021年5月からmottECOを進めているファミリーレストランのデニーズでは、ウェブページに「お客様の責任でお持ち帰りください」「暑い時期や長時間の持ち運びはご遠慮ください」などの注意点を掲げて、この活動を紹介しています*。
2022年4月には、首都圏を中心にホテルを展開する日本ホテル株式会社では、東京ステーションホテルをはじめとした9のホテルにおいて、ホテル内のレストランや宴会場でmottECOを開始します。ここでの持ち帰り用の容器は、環境に配慮した認証材から作られた紙製のものが使われます。

「持ち帰りますか?」

コロナ禍でテイクアウト(持ち帰り)をする人が増えました。テイクアウトをした料理は自己責任で管理する必要があることは認識されているでしょう。
同様に、食べ残しの持ち帰りも自己責任で行うという意識が広まり、飲食店側もデニーズのようにそれを明確にすることで、mottECOを進める飲食店が増えることが期待できます。
しかし、それでも「持って帰ります」「持って帰っていいですか?」と言い出せないお客さんもいるはずです。
飲食店側は「持ち帰りますか?」と、一言声掛けをしていただきたい思います。

*https://www.dennys.jp/service/motteco/

山川文子プロフィール

山川文子さんの写真

エナジーコンシャス 代表

執筆や講演を通じて、生活者視点での省エネ、環境に配慮した暮らしの情報を発信。
テレビ、新聞等のメディアでも広く活躍。

東京都地球温暖化防止活動推進センター(クール・ネット東京)顧問
一般財団法人省エネルギーセンター 上級技術専任職(国際業務担当)

[資格]
・消費生活アドバイザー(内閣総理大臣及び経済産業大臣認定)
・家電製品総合アドバイザー(一般財団法人家電製品協会認定)

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