2022
3月

環境コラム「ご存じですか?」

有機農業の普及

文・山川文子

肥料は鶏ふん

昨年から、畑を借りて野菜作りをしています。
その畑は、農業初心者向けの貸し農園で、種や苗、農具、肥料は準備され、指導者が丁寧に教えてくれるのが特徴です。
肥料は鶏ふんや牛ふん、油かすを、また、害虫対策にはとうがらし焼酎液(とうがらしを焼酎につけた液)や重曹液などを使います。
小規模な有機農業*1です。

有機農業はわずか0.5%

この野菜作りをきっかけに有機農業に興味がわき、日本の有機農業について調べたところ、日本の耕地面積に占める有機農業の面積は、わずか0.5%(23,700ヘクタール)*2と少ないことを知りました。
その背景には生産効率が低いことがあげられます。有機農業では害虫や雑草の防除対策が難しく、手作業で行う必要があるため労力がかかり、加えて、収穫量や品質も安定しにくい傾向があります。

SDGsとの関係

化学肥料や化学農薬を使わない有機農業は、SDGsの実現とも深くかかわっています。SDGsが掲げる17の目標との関係を示すと以下のようになります。
・目標3(すべての人に健康と福祉を)
化学肥料や化学農薬を減らすことによる水質汚染防止などが、人々の健康や福祉につながる
・目標12(つかう責任、つくる責任)
有機食品の購入が持続可能な食料生産への貢献につながる
・目標13(気候変動に具体的な対策を)
適切な土壌管理が気候変動の抑制につながる
・目標15(陸の豊かさも守ろう)
生態系の維持・生物多様性に貢献できる

普及のためには

農林水産省では、有機食品を週1回以上利用する人の割合を、2030年には25%(2017年は17.5%)とする目標を掲げています。
現在は、スーパーマーケットにも有機野菜の売り場があり、通信販売も含めると、以前よりも容易に購入できるようになりました。そのような中、普及の壁になっているのは「価格の高さ」だと思われます。

価格が下がるためには、需要が増えることも必要です。
わたし自身も含めて、「少し高いけれども、今日は有機野菜を買おうかな」と、思う人が増えてほしいと感じます。

(参考資料)「有機農業について」(令和3年4月農林水産省)、「有機農業をめぐる我が国の現状について」(令和元年7月農林水産省)
*1:「有機農業の推進に関する法律」では、「有機農業」を「化学的に合成された肥料及び農薬を使用しないこと並びに遺伝子組換え技術を利用しないことを基本として、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した農業生産の方法を用いて行われる農業」と定義
*2:有機JASを取得していない農地面積を含む

山川文子プロフィール

山川文子さんの写真

エナジーコンシャス 代表

執筆や講演を通じて、生活者視点での省エネ、環境に配慮した暮らしの情報を発信。
テレビ、新聞等のメディアでも広く活躍。

東京都地球温暖化防止活動推進センター(クール・ネット東京)顧問
一般財団法人省エネルギーセンター 上級技術専任職(国際業務担当)

[資格]
・消費生活アドバイザー(内閣総理大臣及び経済産業大臣認定)
・家電製品総合アドバイザー(一般財団法人家電製品協会認定)

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