環境コラム「ご存じですか?」
エアコンの自動制御で電力ひっ迫に貢献
デマンドレスポンス
今夏は、東京電力管内で電力需給がひっ迫する可能性があるため、東京エリアにおいて無理のない範囲での節電への協力が呼びかけられます(7月および8月)。
家庭では、電力供給の不足が見込まれる時間帯に、不要な家電製品の使用を控える、エアコンの設定温度を上げるなどの節電行動が求められます。
これは、電力の受給バランスを需要側(使用者側)で調整するデマンドレスポンス(DR)の一つです。
自動でエアコンを制御
このような需要側の行動によるDRに加えて、機器の自動制御によるDRが注目されています。
電力需給のひっ迫時に、DRの「とりまとめ役」である電力アグリゲーターからの指令によって、エアコンの設定温度が自動的に上げられる、というものです*。
実際に自動制御が行われるためには、そのエアコンに自動制御機能(DR Ready)があり、インターネット接続され、その家庭が自動制御に同意していることが前提です。
自動制御機能があるエアコン(「DR Readyエアコン」)は既に販売されており、インターネット接続されているエアコンもあります。
普及に向けた課題
政府はDRを進める必要性を踏まえ、DR Readyエアコンを普及させるための政策を検討しています。
消費者としては、快適性への影響、ネット接続による安全性、エアコンの価格上昇などに懸念があることでしょう。個人的には、夏季に室内で熱中症が発生する中で、健康への影響が特に気になります。
政府もこれらの課題は十分認識しており、解決のための対策も同時に検討しています。
消費者の暮らしに直接的に関わるこの動きを、今後も注視していきたいと思います。
*エアコンの他に、電気自動車の充電器などが自動制御対象機器として考えられます。
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山川文子プロフィール
エナジーコンシャス 代表
執筆や講演を通じて、生活者視点での省エネ、環境に配慮した暮らしの情報を発信。
テレビ、新聞等のメディアでも広く活躍。
東京都地球温暖化防止活動推進センター(クール・ネット東京)顧問
一般財団法人省エネルギーセンター 上級技術専任職(国際業務担当)
[資格]
・消費生活アドバイザー(内閣総理大臣及び経済産業大臣認定)
・家電製品総合アドバイザー(一般財団法人家電製品協会認定)