環境コラム「ご存じですか?」
節電プログラムに参加してみました
指定の日時に節電するとポイントがもらえる
今年の冬は電力供給がひっ迫しており、各電力会社では節電を促すプログラム(節電プログラム)を行っています。節電をして欲しい日時(節電チャレンジの日時)を事前に契約者に示し、実際に節電ができた場合にはポイントを付与するというものです。これとは別に、一か月合計の使用量が前年同月の使用量よりも一定割合削減できた場合もポイントがもらえます。プログラムへの参加には登録が必要です。
実際の様子
わたしも登録をしており、これまでに数回の「チャレンジ」の機会がありました*1。「チャレンジ」が設定された日の前日と当日の開始1時間前に「〇月〇日の〇時から〇時まで節電チャレンジの時間です。節電ポイントは5ポイント/kWh」とのメールが届きました。この日時に実際に節電が来た場合*2、節電量1kWhあたり5ポイントがもらえる、ということです。
これに経済産業省の事業によるポイントが上乗せされ、貯まったポイントはT-POINTやnanacoなどの電子マネーと交換できます。
「チャレンジ」が設定されていたのは、当然ながら電力を多く使う夕食を準備する時間帯でした。元々節電には気を使っている我が家の場合、これ以上電力の使用を「減らす」ことも「ずらす」ことも思いつかず、外食するしかないと思った次第です。普段節電を意識せずに生活している家庭にとっては、やれることは残されていると思います。
デマンドレスポンス
このように、個人や企業などの需要者側の行動により需要のカーブを変え、電力の受給バランスを調整することをデマンドレスポンス(DR)と言います。「供給に需要を合わせる」とも表現できます。
デマンドレスポンスには、前述の節電プログラムで求められたような、需要がひっ迫する時に需要を下げる(下げDR)だけではなく、太陽光発電による電力が余りそうな時に需要を増やす「上げDR」も含みます。
各電力会社のプログラムの結果を検証し、より多くの人が参加する仕組みや効果的な情報提要の方法などを検討し、デマンドレスポンスの普及につなげていただきたいと思います。
*1:東京電力エナジーパートナーの場合。プログラムの内容も同じ。
*2:節電量は、各世帯の「標準的な使用量」から実際の使用量を差し引いた残りの値。
「標準的な使用量」は国のガイドラインに従って算定される。
過去のコラム
2023 | |
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3月 | 節電プログラムに参加してみました |
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2月 | この冬 電力需給がひっ迫 |
1月 | SDGsとわたし達の暮らし |
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11月 | 集合住宅の断熱化 |
10月 | 不便の益 |
9月 | 宅配便の再配達 |
8月 | 石炭火力発電所 |
山川文子プロフィール
エナジーコンシャス 代表
執筆や講演を通じて、生活者視点での省エネ、環境に配慮した暮らしの情報を発信。
テレビ、新聞等のメディアでも広く活躍。
東京都地球温暖化防止活動推進センター(クール・ネット東京)顧問
一般財団法人省エネルギーセンター 上級技術専任職(国際業務担当)
[資格]
・消費生活アドバイザー(内閣総理大臣及び経済産業大臣認定)
・家電製品総合アドバイザー(一般財団法人家電製品協会認定)