2022
12月

環境コラム「ご存じですか?」

自分ごととしての脱炭素化

文・山川文子

~暮らし全体でのCO2排出量を知る~

自分の現在地を知る

脱炭素社会の実現のためには、私たち一人ひとりが行動する必要があることは周知のとおりです。その行動は、どのような物やサービスを選ぶかも含めた暮らし全体に関わっています。
そのための前提として「自分の現在地を知る」、つまり暮らし全体でCO2をどのぐらい排出しているかを把握することをお勧めします。それは、ダイエットをする上で現在の体重を知るのと同じことです。

暮らし全体でのCO2排出量を計算

Code for Japanと国立環境研究所が共同開発したウェブアプリ「じぶんごとプラネット」(https://www.jibungoto-planet.jp/)を使うと、その人個人が1年間に排出しているCO2の量を計算することができます。
従来からある「環境家計簿」では、電気、ガス、灯油、ガソリン、水の使用量を基にCO2排出量を計算します。つまり物やサービスの利用に係る排出量は含まれていません。一方、「じぶんごとプラネット」では、これらに加えて、買い物(食、消耗品など)やレジャー、自家用車以外の移動による排出量などを含めて計算します。このような暮らし全体に係るCO2排出量が簡単に計算できるツールは今までなかったと記憶します。

牛肉を月に何回食べるか?

「じぶんごとプラネット」では、「住居」「食」「移動」「消費財」の分野でそれぞれ6~10の質問に回答します。たとえば以下のような質問です。金額や時間などの答えやすいものばかりです。
食:食材を捨てる頻度、牛肉を食べる頻度、お菓子類の支出額
移動:電車、バス、飛行機に乗る各時間
消費財:日用消耗品の支出額、レジャーに係る支出額

気づきがある

私自身もこのウェブアプリを使ってみました。その結果、1年間の排出量は4,000kgで、内訳は(住宅)1,140kg、(食)1,130kg、(移動)500kg、(消費財)1,230kg。どの分野も平均より30%以上少ないという結果で、仕事柄一安心しましたが、旅行での飛行機の利用や、総菜や菓子の購入による排出量が多いなど、意識していなかったことに気づかされました。自分の消費行動によるCO2排出量が可視化でき、アプリの名称どおり脱炭素化が自分ごとに感じられました。

アプリでは「脱炭素アクション」として脱炭素に繋がる行動とその効果も示されます。さらに、「知り合いに話す、伝える、SNSでシェアする」「投票やパブリックコメントで行政の取り組みを後押しする」など、自分が社会に働きかけられることも紹介されています。脱炭素社会づくりも自分ごととして捉えて欲しいという製作者の強いメッセージを感じました。
読者の皆様も是非お試しください。

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2023
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10月 ご存知ですか?“デコ活”
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7月 エアコンの自動制御で電力ひっ迫に貢献
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4月 脱炭素社会の実現に向けて 省エネ法を大幅改正
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2月 寒くない家が当たり前に
1月 気候変動の被害に特化した基金を創設 
2022
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10月 東京都 新築住宅への太陽光発電設置を義務化
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8月 フードバンクを支援するには
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2月 バレンタインデーはフェアトレードチョコを
1月 電力・ガス会社の省エネ情報を採点
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10月 気候変動の最新報告書が公表される
9月 プラスチックを対象にした新しい法律
8月 カーボンニュートラルに向けた取り組み
7月 改正温対法
6月 SDGsをもっと身近に 169のターゲットの日本語コピー
5月 高校教科書 ~日常生活から学ぶ~
4月 ゼロカーボンシティ宣言
3月 検針票のペーパーレス化
2月 この冬 電力需給がひっ迫
1月 SDGsとわたし達の暮らし
2020
12月 温室効果ガス 新たな目標
11月 集合住宅の断熱化
10月 不便の益
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8月 石炭火力発電所

山川文子プロフィール

山川文子さんの写真

エナジーコンシャス 代表

執筆や講演を通じて、生活者視点での省エネ、環境に配慮した暮らしの情報を発信。
テレビ、新聞等のメディアでも広く活躍。

東京都地球温暖化防止活動推進センター(クール・ネット東京)顧問
一般財団法人省エネルギーセンター 上級技術専任職(国際業務担当)

[資格]
・消費生活アドバイザー(内閣総理大臣及び経済産業大臣認定)
・家電製品総合アドバイザー(一般財団法人家電製品協会認定)

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