環境コラム「ご存じですか?」
ラベルレスのペットボトル飲料
表示は外箱に
先日ある会合を主催し、ラベルのない(ラベルレス)ペットボトルのお茶を参加者に配りました。24本入りの箱で購入したお茶です。
従来のペットボトル飲料のラベルに表示されている原材料名や内容量など(法定表示事項)は、ペットボトルが入っていた段ボール箱に印字されていました。
ラベルレスのペットボトル飲料は、2018年にアサヒ飲料がケース販売で扱ったのが始まりで、その後他社も追随しました。コロナ禍でのインターネットによるまとめ買い需要の増加が、扱いの増加を後押ししています。
環境によく利便性も向上
ラベルレスにすると、ラベルに係るプラスチック使用量の削減や、ラベルの製造・廃棄にかかるエネルギー消費量やCO2排出量の削減につながります。
これらの環境面でのメリットに加えて、リサイクルに出す際にラベルを剥がす手間がないという消費者の利便性も向上します。
2021年5月の調査*においても、ラベルレス飲料の購入理由(複数回答)として「ラベルを剥がす手間が省ける」が40.9%と最も多いという結果が出ています。
(2位以下は、「目新しさ」(28.2%)、「日頃からエコを意識」(22.8%)、「安かった」(26.7%))
単品販売での普及は?
ラベルレスのペットボトルは、現在はケース販売のものがほとんどです。前記の調査においても、ラベルレス飲料の購入経験がある人は21.7%に留まり、その理由に「購入する機会がない」「商品を見たことがない」があります。わたし自身も、ラベルレスのものがあることは以前から知っていましたが、実際に目にしたのは今回が初めてした。
店舗などで単品で販売される商品については、小さな面積のタックシールに法定表示事項を印字しボトルに貼ったものや、ラベルをボトルの首の部分に引っ掛けたものを販売するメーカーもあります。表示事項をボトルに直接印字し、完全ラベルレスの商品も登場しました。
しかし、近所のスーパーマーケットやコンビニエンスストアには、このような新しい表示形態の商品はなく、全国的な普及には至っていないようです。
店舗において自社の商品を目立たせ販売につなげる上で、ラベルの存在は重要でしょう。販売促進につながるラベルレスボトルの登場を期待します。
*「ラベルレス飲料に関するアンケート調査」(株式会社mitoriz)(N=3033)
「購入理由」は実際に購入経験がある人(437人)の購入理由(複数回答)
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山川文子プロフィール
エナジーコンシャス 代表
執筆や講演を通じて、生活者視点での省エネ、環境に配慮した暮らしの情報を発信。
テレビ、新聞等のメディアでも広く活躍。
東京都地球温暖化防止活動推進センター(クール・ネット東京)顧問
一般財団法人省エネルギーセンター 上級技術専任職(国際業務担当)
[資格]
・消費生活アドバイザー(内閣総理大臣及び経済産業大臣認定)
・家電製品総合アドバイザー(一般財団法人家電製品協会認定)