2022
8月

環境コラム「ご存じですか?」

フードバンクを支援するには

文・山川文子

フードバンクとは

先日、フードバンクの拠点を見学する機会がありました。
フードバンクとは、寄付された食品を受け入れ、必要としている団体や個人に無料で提供する活動や、活動をする団体のことを指します。「食料の銀行」=「フードバンク」です。
わたしが見学した拠点の棚には、米や飲料、缶詰、レトルト食品、お菓子などが整然と並んでいました。これらが子ども食堂や福祉施設に提供されたり、炊き出しで利用されたり、フードパントリー*で配布されたりします。
*食品を無料で配布する活動や場

食品ロスの削減に

フードバンクでは、メーカーや小売事業者などから、品質には問題ないものの販売できない食品を受け付けています。たとえば、包装材の印刷ミスや容器のへこみがあるもの、期間限定商品の売れ残り、賞味期限が近いものなどです。賞味期限が迫った防災用の備蓄食品も含まれます。フードバンクに寄付すれば、食品ロスの削減につながり、廃棄の費用もかからずに済みます。
家庭からの食品も受け付けています。フードバンクに直接持ち込む他に、生協などに受け付け用のボックスが設置されていることもあります。

全国のフードバンクの一覧は以下で閲覧できます。
「農林水産省 フードバンク活動団体一覧」(178箇所。令和4年3月31日時点)
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/recycle/syoku_loss/attach/pdf/foodbank-18.pdf
フードバンクによって、「常温品のみ」「賞味期限が1か月以上ある」など、受け付ける条件があります。食品以外に歯磨き粉や洗剤などの日用品も扱っているところもあります。

マンパワーや寄付で支援

フードバンクにおける取扱量は増加していますが、活動費や人員の不足が課題になっています。「冷蔵庫や冷凍庫を購入できれば、冷蔵品・冷凍品も扱える」といった声もあります。
私たちは、食品を提供するだけでなく、フードバンク活動を手伝うことやお金を寄付することでもフードバンクの活動を支えることができます。
まずは、お住まいの近くにあるフードバンクを探し、自宅にある食べる予定がない食品を持って行く、というアクションをしてはいかがでしょうか。

過去のコラム

2023
12月 最終回
11月 家電売り場に見る品揃えの変化
10月 ご存知ですか?“デコ活”
9月 地球沸騰化の時代に
8月 肉の消費がもたらす温暖化
7月 エアコンの自動制御で電力ひっ迫に貢献
6月 高効率給湯器への移行
5月 省エネデータの任意開示が始まる
4月 脱炭素社会の実現に向けて 省エネ法を大幅改正
3月 節電プログラムに参加してみました
2月 寒くない家が当たり前に
1月 気候変動の被害に特化した基金を創設 
2022
12月 自分ごととしての脱炭素化
11月 ラベルレスのペットボトル飲料
10月 東京都 新築住宅への太陽光発電設置を義務化
9月 ホテルのエコ進行中
8月 フードバンクを支援するには
7月 量り売りで食品ロスを削減
6月 簡易なツール利用を行動のきっかけに
5月 使い捨てプラスチック製品を減らす
4月 「食べ残したら持ち帰る」が当たり前に
3月 有機農業の普及
2月 バレンタインデーはフェアトレードチョコを
1月 電力・ガス会社の省エネ情報を採点
2021
12月 COP26が開催 ~「1.5℃目標」に向かって~
11月 ファッションをサステナブルに
10月 気候変動の最新報告書が公表される
9月 プラスチックを対象にした新しい法律
8月 カーボンニュートラルに向けた取り組み
7月 改正温対法
6月 SDGsをもっと身近に 169のターゲットの日本語コピー
5月 高校教科書 ~日常生活から学ぶ~
4月 ゼロカーボンシティ宣言
3月 検針票のペーパーレス化
2月 この冬 電力需給がひっ迫
1月 SDGsとわたし達の暮らし
2020
12月 温室効果ガス 新たな目標
11月 集合住宅の断熱化
10月 不便の益
9月 宅配便の再配達
8月 石炭火力発電所

山川文子プロフィール

山川文子さんの写真

エナジーコンシャス 代表

執筆や講演を通じて、生活者視点での省エネ、環境に配慮した暮らしの情報を発信。
テレビ、新聞等のメディアでも広く活躍。

東京都地球温暖化防止活動推進センター(クール・ネット東京)顧問
一般財団法人省エネルギーセンター 上級技術専任職(国際業務担当)

[資格]
・消費生活アドバイザー(内閣総理大臣及び経済産業大臣認定)
・家電製品総合アドバイザー(一般財団法人家電製品協会認定)

ページ先頭へ