環境コラム「ご存じですか?」
SDGsとわたし達の暮らし
2030年までの国際目標
SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)は、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。地球上の「誰ひとり取り残さない」を理念とし、17の目標が設定されています。
17の目標は、貧困、飢餓、ジェンダー、教育、環境、経済成長、人権など多岐にわたります。自分の暮らしとは関係ない項目が多いと感じるかもしれませんが、決してそうではありません。
コーヒーをテイクアウトしたら?
たとえば、カフェでコーヒーをテイクアウトする場面を想像してみます。
コーヒーのカップは紙製、ふたはプラスチック製。ビニール袋に入ったお手拭き、砂糖、ミルク、プラスチックのマドラーと一緒に、紙袋に入れて渡されました。
飲み終わったら、これらはすべてゴミ箱に捨てられ、再利用されることなく焼却されます。マイボトルを持っていけばよかった・・・。自宅で飲むのでお手拭きは不要だった、ブラックで飲むので砂糖、ミルク、マドラーは不要だった・・・。
廃棄物の問題は、SDGsの目標12「つくる責任つかう責任」につながっています。プラスチック製品による海洋汚染の問題は、目標14「海の豊かさを守ろう」につながっています。
コーヒー豆はどこから?
購入した「本日のコーヒー」は、どの国の豆でしょうか?
どのような人たちがいくらの賃金で、一日何時間働いて栽培した豆か・・・、と想いを巡らすと、目標1「貧困をなくそう」、目標10「人や国の不平等をなくそう」に関心が持てるのではないでしょうか?
店内を見回すと、窓際の明るいところにも照明がついています。トイレの照明は常に点灯してあり、暖房便座は温かすぎます。電気の無駄づかいを感じました。店舗の節電は、目標13「気候変動に具体的な対策を」の一つです。
このように、コーヒーのテイクアウトだけを見ても、SDGsのいくつかの目標につながっていることがわかります。SDGsが自分の暮らしと関わっていることを知り、できることを見つけていただきたいと思います。
過去のコラム
2023 | |
12月 | 最終回 |
11月 | 家電売り場に見る品揃えの変化 |
10月 | ご存知ですか?“デコ活” |
9月 | 地球沸騰化の時代に |
8月 | 肉の消費がもたらす温暖化 |
7月 | エアコンの自動制御で電力ひっ迫に貢献 |
6月 | 高効率給湯器への移行 |
5月 | 省エネデータの任意開示が始まる |
4月 | 脱炭素社会の実現に向けて 省エネ法を大幅改正 |
3月 | 節電プログラムに参加してみました |
2月 | 寒くない家が当たり前に |
1月 | 気候変動の被害に特化した基金を創設 |
2022 | |
12月 | 自分ごととしての脱炭素化 |
11月 | ラベルレスのペットボトル飲料 |
10月 | 東京都 新築住宅への太陽光発電設置を義務化 |
9月 | ホテルのエコ進行中 |
8月 | フードバンクを支援するには |
7月 | 量り売りで食品ロスを削減 |
6月 | 簡易なツール利用を行動のきっかけに |
5月 | 使い捨てプラスチック製品を減らす |
4月 | 「食べ残したら持ち帰る」が当たり前に |
3月 | 有機農業の普及 |
2月 | バレンタインデーはフェアトレードチョコを |
1月 | 電力・ガス会社の省エネ情報を採点 |
2021 | |
12月 | COP26が開催 ~「1.5℃目標」に向かって~ |
11月 | ファッションをサステナブルに |
10月 | 気候変動の最新報告書が公表される |
9月 | プラスチックを対象にした新しい法律 |
8月 | カーボンニュートラルに向けた取り組み |
7月 | 改正温対法 |
6月 | SDGsをもっと身近に 169のターゲットの日本語コピー |
5月 | 高校教科書 ~日常生活から学ぶ~ |
4月 | ゼロカーボンシティ宣言 |
3月 | 検針票のペーパーレス化 |
2月 | この冬 電力需給がひっ迫 |
1月 | SDGsとわたし達の暮らし |
2020 | |
12月 | 温室効果ガス 新たな目標 |
11月 | 集合住宅の断熱化 |
10月 | 不便の益 |
9月 | 宅配便の再配達 |
8月 | 石炭火力発電所 |
山川文子プロフィール
エナジーコンシャス 代表
執筆や講演を通じて、生活者視点での省エネ、環境に配慮した暮らしの情報を発信。
テレビ、新聞等のメディアでも広く活躍。
東京都地球温暖化防止活動推進センター(クール・ネット東京)顧問
一般財団法人省エネルギーセンター 上級技術専任職(国際業務担当)
[資格]
・消費生活アドバイザー(内閣総理大臣及び経済産業大臣認定)
・家電製品総合アドバイザー(一般財団法人家電製品協会認定)